住宅ローンの返済が滞りそう。もしくは返済できなくなった時の解決までの道のり
住宅ローンが返済できない・・・という方は実際にいます。
住宅ローンの返済ができずに自己破産してしまう人は、個人の自己破産件数の約3~4%とといわれています。長い人生、そうそう順風満帆ではありません。時にリストラの憂き目にあったり、給与カットやボーナスカットの現実に泣かされるかもしれません。子供にかかる教育費も毎年膨らむばかりで、生活費もバカになりません。
しかも、もし一家の大黒柱が何かの病気になり仕事をやめてしまったら・・考えるだけでぞっとしてしまいます。けれども、どんなに家庭が経済的に苦しくても、変わらないのは住宅ローンです。
毎月同じ額を引かれてしまうのですから辛い事この上ありません。もし住宅ローンの返済ができなくなったら、一体どうすればいいのでしょうか?ここでは、住宅ローンの返済が出来ない時にどうなってしまうのか?またその対策をご説明します。
この記事をざっくりまとめると・・・
- 住宅ローンの支払いが滞りそうだったら、滞る前に銀行に相談する
- 滞る事態が起きたら家が競売にかけられる
- ローン残高以下で売れたら、残りのローンに返済義務が請じる
- 家を売ったあと残金が払えなければ自己破産か個人再生の手続きをする
住宅ローンが払えなくなったら・・
もし何らかの事情で住宅ローンが払えなくなったら、一体どうなってしまうのでしょうか?あまり考えたくない事ですが、ローン返済不能に陥る可能性は誰にでもあるのです。
では住宅ローンの支払いが滞ってしまったら、一体どうなってしまうのでしょうか?
まず2~3か月間支払いが滞ると金融機関から督促状が届きます。または借りている住宅ローンの返済について相談しましょう、というお知らせも届きます。
この時点でまずできる事は、銀行側とよく話し合い、返済期間を延ばして月々の返済額を減らすことや、借り換えを行い毎月の返済額を減らすなどの対策を講じます。
銀行側としてもなるべく債務者を、自己破産や任意整理などの状況に追い込みたくはありません。ここであせってカードローンやサラ金に手を出すと大変です。借金が雪だるま式にどんどん膨らみ、間違いなく転落していきます。
一番いい方法は、住宅ローンが滞る前に、まず銀行側と相談することです。
銀行側も素直に相談されれば、様々な手段を講じてくれるはずです。まずこの段階で事を大きくしないように、最も良い対策を考えましょう。
また、身内に相談して、身内からお金をかりてしのぐ方法もあります。身内からお金を借りる事ができれば、一時的でも急場はしのげますね。けれども、そのような人がいない、また銀行とも折り合いがつかなければ金融機関からローン残高の一括返済請求が届きます。
毎月のローン返済が出来ない状況ですから、残金を一括で返済することなど不可能ですね。そこで住宅ローンを借り入れた際に契約した、保証会社が出てきます。
保証会社はあなたに代って銀行に債務を弁済してくれます。ここで「なんてラッキーなんだろう!これで借金はチャラ」と喜んではいけません。債権者が銀行から保証会社に移っただけで、借金が返済出来ていない事実は何も変わっていないのです。
ローン返済中の家を競売にかけて売る
ではそのまま返済できないでいると、家はどのようになるのでしょうか?
次に保証会社は裁判所に申し立てを行い、あなたの家を競売にかけます。この時、まだローンの返済残高が2000万円残っているとしても、必ず同じ額、またはその残高以上の価格で売れるとは限りません。
1500万円で売れたとしたら、その差額の500万円はあなたの債務としてしっかり残ります。住む家を失うだけでなく、家の借金まで残ってしまうなんて踏んだり蹴ったりです。
家を売っても残ってしまったローンは自己破産で解決
この500万円をどのように返済していけばいいのでしょうか?どうしても返せない人は自己破産せざるをえません。本当に最悪の結末です。
家を売ったり、自己破産する結果を招いた原因とは?
それでは、なぜこのようになってしまったのか、一体何が悪かったのでしょうか?
・ 住宅ローンを借りれるだけ借りた
まず住宅ローンを組む際に、低金利だからといって年収の上限までめいっぱい借金をすると、あとあと起こる金銭的トラブルに対応できなくなります。
・ 長期的な家計の支出の見積もりが甘かった
人生には家だけでなく、車や子供の教育、生活費、税金、家のリフォーム代など様々な費用がかかります。その費用を考えずに大きな借金をすると、後々大変なことになる可能性はあります。無理な借金や返済計画を考えるのではなく、身の丈の生活で十分なのだと気が付く事です。
関連記事 : 住宅ローンの資金計画を甘く計算しないで!
こちらの記事は、住宅ローンを組む前にしっかり考えたい資金計画を立てる考え方の参考にしてください。
・ 理想の家を求めすぎた
いきなり最初から大きな家を建てる必要はどこにもありません。最新の住宅設備や太陽光発電、きれいな庭や立派な外構やガレージも最初から必要でしょうか?最初は必要最低限の家に納めて、大きな借金は回避し、10年先、20年先にリフォームと同時に設備を更新する方もいらっしゃいます。
・ 自分でやろうとしなかった
外構工事も専門の業者に依頼すれば高額になりますので、日曜大工のように休日に家族で庭を作れば安い費用で庭が手に入ります。家の建築も、見た目さえ気にしなければハーフビルドで内装を仕上げれば、家の建築費を抑えることも可能なのです。
・ 身の丈にあう家を選ぶことが大事
新築物件だけでなく中古物件にも目を向ければ、掘り出し物が見つかることもあるのです。最初から大きな借金を抱えるのは避けましょう。
ローンの返済はちゃんとできてないけど、家を手放すのは絶対にイヤだ!という場合の解決法
「自己破産は嫌だ、家だけは絶対に手放したくない」そう考える方もいると思います。その場合は個人再生で住宅を維持したまま借金を返済する方法もあります。
ただし、借金の残金や利息が減免されたりする措置がないので、残金があまりに多く残っていると返済計画が立てにくいので個人再生が難しくなります。ただ、大きな債務が残っていない場合や、定期的な収入がある場合には、自己破産ではなく個人再生で家を温存したまま借金を返済することができます。
この個人再生は手続き上難しい面もありますので、司法書士や行政書士、弁護士へ相談するとよいでしょう。個人再生が可能かどうかを一緒に考えてくれます。
また、どうしても自己破産しか道がない場合は、残念ながら自宅を売却することになります。売却してもまだ債務が残るような最悪の場合であっても、自己破産の場合は原則全額免責となりますので、借金はすべて消えてしまいます。
ただし、自己破産になるかならないかの判定は裁判所で行います。
免責(自己破産)が認められるかどうかは判定基準がありますが、大きなギャンブルで大金を使い果たしたり、持っている財産をわざと隠すなどの行為がない限りはおおむね自己破産が認められます。
ただ、中には判定しづらい事例もありますので、一部免責などの結果がでることもあります。2000万円のうちの300万円を支払えば、残りの1700万円は免責になります、という具合です。
最後に
必死な思いで購入した新居を手放すなんて、本当に辛いことですね。人生も住宅ローンも、長い時間をかけて支払うものですから、その間に最悪の事が起きることを想定して計画を立てましょう。
例え旦那さんがリストラされても、半年は無収入でも生活していけるようにある程度の貯蓄を持つべきです。早くローンを終わらそうとして、貯金をしないで繰上返済を優先させるなんてことはしないようにしましょう。
住宅ローンをしっかり返済するためには、何より計画性と将来の見通し、蓄えが大事です。
共働きをする、副業する、子供が大きければバイトさせるなど、普段から本業以外にも副収入の道を持っておく等、もしもの時に備えた生活を送るようにしておきましょう。
借りる前から返済できないことを調べるのは大事ですが、少し怖いですね。でも、住宅ローンが返せるか心配なら、住宅ローンを新規借り入れする不安解消の記事を参考にしてください。