住宅ローンの不安は金利だけではなく、将来の災害や病気も心配なもの。だから事前の調査が肝心
住宅ローンは長期間支払いつづけるものです。20年先、30年先まで元気で働き、ローンが完済できるという100%の保証はありません。病気になったり災害に遭ったりすれば、家計の破たんは目にみえています。そのため「将来を考えるとローンは組めない」と考えてしまうのも当然。
また一度住宅ローンを組んで購入すると30年、35年と長期間の支払いをするパターンが多く、将来に対する不安から購入に踏みきれない方も。けれど「家を購入したい」と思っている方に、住宅ローンの不安を解消する方法を紹介します。
住宅ローンに関する一般的な不安
- どれだけの費用がかかるのか分からず不安
- 自己資金はいくら用意すれば安心?
- 住宅購入や住宅ローンの支払い総額
- もし、完済する前に病気や火災・災害あったら?
- いくら借りれるのか、そして長期間かけて返済していくことができるのか
- 年収が下がってしまった。住宅ローンの返済のせいで貯金ができなくなった
家の代金(土地代と建物)以外に、一体どれだけの費用がかかるのか分からず不安
土地を購入してマイホームを建築する場合、まず目が行くのが土地代と建築代。もしも土地代が500万円、建築費が1500万円とすれば合計は2000万円。「なんだ、じゃあ2000万円を借り入れすればいいんだな」と思ってしまいますが、そうはいきません。土地代と建築費はもちろん、住宅ローンの借入時の諸経費を忘れずに計算しましょう。
自己資金はいくら用意すれば安心?
頭金は1,000万円くらい必要とざっくり巷のうわさで知っている人は多いと思います。でも、なぜ1,000万円なのか細かくみて不安を解消しましょう。
住宅ローンの借り入れ上限金額は、物件購入額の8割といわれているため、残りの2割が必要な頭金となるわけです。これに加え、家の購入や住宅ローンを組む際に必要な税金や手数料などの諸費用はだいたい物件価格の5%~10%になります。
これらを合計すると、
頭金の20% + 諸費用5% = 25%
借入額の25%は自己資金として必要ということになります。
つまり、自己資金の総額は、
自己資金 = 物件価格 × 25%
となります。
「頭金が1,000万円必要」というのは、4,000万円の家を購入する時の自己資金額を指しているのです。
住宅購入や住宅ローンの支払い総額を把握しましょう
上記の自己資金のところで解説しましたが、住宅ローンを組むには、諸費用が発生します。諸費用にはどのようなものがあるのでしょうか。
住宅ローンの新規借り入れ時にかかる銀行に払う諸費用
- 事務手数料
- 保証料
- 団体信用生命保険料
住宅購入にかかる諸費用
- 抵当権設定登録免許税
- 司法書士報酬
- 印紙税
- 火災保険料
住宅ローンを組む時に必要な保険
住宅を購入する時にかかる諸費用には、団体信用生命保険料や火災保険料などの保険にかかる費用が含まれます。住宅ローンを組む時に必要な保険があるのかまとめました。
団体信用生命保険は、ほとんどの銀行で借り入れするときに加入することになります。ネット銀行では団信料を無料にするサービスが増えているので住宅ローン選びの時の時にチェックしたいポイントです。
住宅ローンを組む時に必ず入るのがこの火災保険保険です。銀行指定ではありませんので自分で保険会社を選ぶ必要があります。一部の銀行では、住宅ローン専用火災保険プランに加入することが可能です。
火災保険に比べ、任意加入の住宅ローンが多いです。火災保険とパックになっているサービスもあります。
もし、完済する前に病気や火災・災害あったら?
「大黒柱が死んでしまったり地震が起きた時に住宅ローンを払い続けられるか不安…」と思う方も多いのではないでしょうか。住宅ローンには、「団体信用生命保険(団信と略されます)」や火災保険、地震保険保険があり、万が一に備えてほとんどの方が加入しています。
団信はローン契約書が死亡したり高度障害になってしまった時、保険がおりて住宅ローンの返済がゼロになるというもの。だから契約者にもしものことがあっても、残された家族が残りのローンを返済し続けることはありません。団信に加え、火災保険や地震保険に加入し火災、災害が起きた時にも備えるのが一般的です。
また、がんや脳卒中などの重度の病気にかかり仕事が続けられなくなってしまったケースに適用される保険の「8疾病保障や3疾病保障」もあります。
疾病保障型の保険は、規約に含まれる病気になった時に住宅ローンの一部や全額が免除されます。8疾病保障型の保険を付けても金利が上乗せされない住信SBIネット銀行や無料で3疾病保障型の保険に加入できる新生銀行は人気です。
関連:>>住宅ローンの8大疾病保障って何?
こちらの記事では、8大疾病保障付きの住宅ローンの魅力や疾病保障が安く付けられる住宅ローン会社を紹介しています。
いくら借りれるのか?そして長期間かけて返済していくことができるのか?
収入からみてどれくらいの金額まで借りられるのかが分からない…という方もいるでしょう。住宅ローンの借り入れ金額を知るためには、1年間の返済額を計算すると分かります。
1年間の返済額は、年収の20%~25%になるようにするのが目安です。年収500万円なら1年間に住宅ローンの支払いが100万円程度になります。
住宅ローンの融資を受けることができても、ほとんどの方の不安は「返済していけるだろうか・・・」だと思います。10年、20年先には、子供の教育費、介護など、今はない生活費用がかかってきます。そして何より今の年収がそのまま保障されているわけではないので、不安のない返済計画を立てるのであれば、自己資金や貯金をできるだけ多く確保することです。
住宅ローンの返済のせいで貯金ができなくなったらどうしよう…
年収が減るリスクや、金利変動リスクの影響を受けたら返済が苦しくなるかも・・・という不安もありますよね。でも、これについても安心です。住宅ローンは借り換えすることができるので、都度、家計の見直し、将来の予想を立てていれば、早めに対処することができます。
住宅ローンは1度借りたら終わりではありません。その時の家庭の環境に合わせて、上手に借り換えを行うことが大事です。
住宅ローンを借り入れする時の不安はこれで解消できる
住宅ローンの不安を解消する方法は、ライフプランに合わせてしっかりとした資金計画表を作ることです。資金計画を立てた後、以下の項目をチェックすることが重要です。
- 今買えるのか
- 住宅ローンはいくら借り入れできるのか
- 月々の返済はいくらになるのか
- その金額を返済していけるのか
ひとつずつ考えながら住宅ローンの仮審査に申し込みをするのが良いでしょう。また、ざっくりした知識で住宅ローンのことを考えず、細かいところまで良く調べてください。知識がつくことで不安が解消されます。
まとめ
今は金利が安い!住宅ローン控除がある!だから今は住宅購入がお得と思われがちですが、安易に住宅ローンを組んでしまうと万が一の時に返済不能となりかねません。
住宅ローンを組む時は、年利だけではなく保険などの諸費用を把握することも大事です。年利の低い住宅ローン会社を選ぶだけではなく、疾病保障や火災保険が安く加入できる住宅ローン会社にも目を向けてみましょう。