返済不能とならないために…住宅ローンの資金計画のコツ
毎月10万円程度なら住宅ローンは返済できるよね…そんなアバウトな資金計画では、子供の教育費が高額になったり大黒柱が病気で倒れてしまった時に住宅を手放すことになりかねません。
ここでは、住宅ローンを組む時に大切な「将来を見据えた資金計画の立て方」について、年収や頭金、返済可能額の視点から考えていきたいと思います。
資金計画が大事なのは完済までの期間
現金で家が買えれば良いのでしょうがそのような方はごく一部で、多くの方が新居を購入するために住宅ローンを利用しています。では、住宅ローンを考える時、まず何を優先して資金計画を立てるべきでしょうか。それは、住宅ローンの完済までの期間です。
ローンの返済期間は35年として計算される事が多いのですが、これはあくまでも20代や30代の若い方がローンを組む場合に限ります。40歳や50歳の方が35年ローンを組めますか?という話になると、これはなかなか難しくなります。あまりに長期間のローンを組んだ場合、ローンの支払いを始めた年齢によっては完済時にかなりの高齢となっているからです。ローンの返済を開始した年齢が35歳と45歳では返済期間が変わってきます。
65歳までにローンを完済するつもりであれば65歳から現在の年齢を引いて考えましょう。その期間が25年であれば25年のローンを組むべきですし、15年ならその期間で完済できるプランを立てるべきです。
中高年になってから長期間のローンを組まなければならない場合は、親子2世代ローンのように親子でバトンタッチして支払う方法もあります。
住宅ローンの借り入れ金額と年収と頭金
次に、住宅ローンを借り入れる時に考慮する点は、借入できる金額です。一般的に、「借り入れできる金額は年収の6倍まで」「一年に返済できる金額は、総収入の25パーセントまで」と言われています。
この例に当てはめれば、年収が400万円の方であれば2400万円まで借り入れできることになりますし、1年間に100万円まで返済に充てることが出来る、という事になります。けれども銀行によっては年収の7倍まで融資してくれることもありますし、家計によっては総収入の20パーセントしか返済出来ないこともあるので注意が必要です。
また、最近はなるべく多くの頭金を用意して無理のない返済計画を立てる方も増えています。
借り入れ金額が住宅価格の9割以上なのか9割以下なのかで金利も変わるので、年収の×倍や総収入のうちの××パーセントという話はあくまでも目安でしかありません。あなたの家の家計の実態に合わせて判断するべきでしょう。
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借入可能額よりも返済可能額を優先する!
住宅ローン会社から年収の5~7倍の融資が受けられるから目いっぱい借りてしまい、後々の生活が破たんしてしまったというケースは、住宅ローンのあるある失敗談です。
人生には様々なトラブルやアクシデントがつきものです。マイナス面だけでなく、家族が増える、子供が私立の良い学校に入るなど、良いニュースもありますよね。
一方で、今は順調な仕事であっても突然、業績不振で給与カットやリストラの憂き目にあるかもしれません。20~35年という長い返済期間に住宅ローンを組んだ大黒柱が病気になることだってありえます。親の介護のために余分なお金がかかることもあるでしょう。
不確定要素が返済の邪魔をすることを考え、頭金もなく融資の上限額を借り入れてしまい無理な返済計画を立てると将来の生活に響きます。特に現在のような不況の時代では、なるべく頭金を多めに入れて借入額を少なくして早めに完済するという資金計画を立て、無理のない返済を続けることが大事です。
「銀行が年収の7倍まで融資してくれるからいっぱいいっぱいまで借りてしまおう」という話ではなく「我が家では育ちざかりの子供が3人もいるから、今後に備えて総収入の20パーセントまでの返済にしておこう。返済できる期間はこれくらいだから結局受けられる融資は年収の4倍まで」というような現実的な資金計画を立てる方が堅実です。
住宅ローン会社の借入可能額ではなく、自分の家庭環境に合った返済可能額を考えながら資金計画を組んでいきましょう。
年収が低い人におすすめの住宅ローンの組み方
うちは年収が600万円未満だから住宅ローンは組めない…とあきらめている方はいませんか?実は、年収が低くても価格の高い新居を購入することができる住宅ローンがあります。
ネット銀行は大手の銀行と比べて審査が通りやすく、金利が低いのでおすすめです。
ネット銀行なら頭金を多めに用意できれば、住宅ローンを組むのが少々難しいような物件でも低金利で融資が受けられるケースがあります。頭金をある程度用意できるかどうかもその後の返済を楽にできるかどうかを分けるポイントになります。
じゃぁ、うちはいくらの住宅ローンが組めるの?
住宅ローンを組む時、一般的に言われている借り入れ可能額や頭金を考えながら資金計画を立てるのも良いですが、1番手っ取り早い方法は、金融機関の住宅ローンのシュミュレショーンを行ってみることです。
各金融機関の住宅ローンのサイトには、シミュレーション機能があるので、いくらの融資を受けられるのか?毎月返済できる金額は一体いくらか?その明確なラインを把握してみて下さい。人気の住宅ローンの中から選んで、各金融機関のシミュレーションで資金計画を立てて行きましょう。
まとめ
夢のあるマイホームの購入ですが、やはり現実をしっかりと見つめることが大切です。返済可能額や頭金を把握し、一歩一歩着実に購入計画や資金計画を立てましょう。
今は頭金なしでも住宅を購入できると言われていますが、頭金があれば無理なく住宅ローンを返済することができますし、年収が低くても住宅ローンを組むことが可能となります。毎月毎月頭金を貯めていく事は大変なことですが、いつか来るマイホーム購入の日のための苦労もいつの間にか楽しみになるはずです。
※ 金利は新規、変動金利で表記