住宅ローンの審査に落ちた場合、その理由は非公開です。事前に審査基準に関する知識をつけましょう
家の購入を決めても住宅ローンに通らないと話になりませんね。もしこれから住宅ローンの審査に出すなら、事前知識をつけて、審査に通りやすくしましょう。ここでは、住宅ローンの審査基準と落ちる要因について説明しています。すでに審査に通らない方は、住宅ローンの審査が通らない人はこんな人の記事を読み、審査に落ちた理由を探って、改善してみましょう。
住宅ローンの審査結果に影響する「勤続年数」と「収入」
金融機関の住宅ローンの融資条件に「同一勤務先に3年以上勤務されている方」という項目がある場合、勤続年数が3年未満であれば審査が厳しくなります。
ただし金融機関によってこの条件が1年以上という場合もありますので、転職したばかりでこの勤務年数の条件が気になる方は、条件の緩い金融機関を探すか、しっかりとした収入があることを証明しなければなりません。また、なぜ転職したかなどの事情を銀行側にきちんと示すことも、審査通過の役に立つでしょう。
個人の細かい就業状況まで伝える必要性
一般的には、正社員で勤務年数が長ければ長いほど有利です。
最近は派遣社員や契約社員という形態で働く方も増えました。それでも勤続年数の条件をクリアし、毎月決まった収入があれば審査で断られることは、今はほとんどないようです。
一番問題となるのは自営業者でしょう。
過去2年間の決算書を提出し、赤字になっていないことなどの条件をクリアしなければ融資を受けられない、などの条件もあるようです。
他にも、収入の問題に関連して審査で注意しなければならないことがあります。
例えば年収が税込400万円の場合は、総収入に占めるローンの返済の割合が30%以内に収まるようにしなければなりませんし、300万円以下の場合は25%以内で返済しなければなりません。
一年間に税込300万円の収入の方が年間90万円のローン返済を行うような融資は断られる可能性が高いのです。
計算上は年間75万円までのローン返済しかできないのですが、住宅ローン以外にもカーローンや教育ローンを払っている場合はそれも合算されてしまいます。結果的に融資は受けられてもかなり減額されてしまうこともありますし、融資そのものが断られることもあります。
収入を増やすことが先決なのですが、もし夫婦で仕事をしていれば、ご主人の収入に奥さんの収入も加える事でかなり有利に融資が受けられます。
頭金を増やすことや、希望する物件そのものを見直してみるなどの方法もありますね。頭金はすぐには増えませんので即できる対策ではありませんが、新築物件ばかりに目を向けるのではなく、中古物件で状態の良いものを探すなど方向性を変えると上手くいくこともあります。
借金があると住宅ローンの審査に落ちる?
住宅ローンの審査には「個人信用情報」のチェックはつきものです。
この個人信用情報には、住宅ローンの申請を行った者が、
他にどれだけの借り入れを申し込んでいるのか?
現在どれだけの借金を抱えているか?
毎月どれくらいの借金を返済しているのか?
もし借金の返済が滞っているとしたらどれくらいか?
という個人の信用力を判断するための情報が網羅されています。
俗に言う「ブラックリスト」で、金融機関やクレジットカード関連の返済トラブルは、この信用情報会社に記録されています。従って、融資の申し込みがあれば銀行側は必ずこの部分をチェックします。
この個人信用情報を管理する会社で照会すれば、即座に個人の借り入れ状況や返済状況が分かりますので、借金があるにも関わらず「借金はありません」と嘘をついてもすぐにばれてしまいます。
銀行側の心象を非常に悪くしますので、融資を申し込む際には素直に伝えておきましょう。収入に対してあまりにも多くのローンを抱えている場合は、融資が断られることもあるようです。住宅ローンを申し込む時は、なるべく他のローンをきれいに清算しておきましょう。
また、過去のローンやその返済状況、延滞の情報、自己破産の有無なども細かくチェックされています。以前はクレジットカードをもたくさん持っているだけで不利、と言われていましたが今はかなり緩和されているようです。ただし、あまりのたくさんのクレジットカードを持っている場合には「クレジットカードを解約すれば融資します」というような条件を提示されるケースもあります。
住宅ローン審査の年齢
ローンの完済時の年齢が条件に合わない場合は、ローンの審査が断られる可能性が大です。55歳でローンの支払いを開始し30年間払い続けると、ローン完済時には85歳になっています。けれども多くの金融機関では完済時の年齢が70~80歳と設定されていますのでこれでは残念ながらアウトです。
55歳から住宅ローンの支払いを開始するのは問題ありませんが、完済時の年齢が上限70歳と設定されている場合は15年でローンを完済するような返済プランを組まなければなりません。どうしても返済するのに30年かかってしまう場合は、親子2代でローンを払う方法しかありません。
住宅ローン契約者の健康状態
他にも健康状態に問題があるため、団体信用生命保険に加入できない場合も融資を断られます。民間金融機関の場合は、この団信の加入が絶対条件なので、これがクリアできないと融資の実現は困難になります。
この場合は団信の加入が任意の住宅ローンを選びましょう。フラット35や財形住宅融資は団信の加入が任意となっていますので、これらの住宅ローンの審査に申し込めば少なくとも健康状態を理由にして融資が断れられることはありません。
まとめ
住宅ローンの審査の結果断られた場合、銀行側は審査に落ちた理由を公開しません。ですから銀行側の条件にはできるだけ合致するように、ある程度条件を整えておく必要があります。とはいえ、全ての融資申込者が銀行側の求める条件に完璧に合うわけではありませんので、融資に関して不安を持っている人はどの辺りまでが妥協点なのか、どこを重要視しているのか?どうすれば審査が通りやすくなるのか?銀行側とも良く話し合いを行ってみましょう。