住宅ローンの頭金を無理なく貯める方法
今の時代、住宅ローンって頭金なしでも組める!それは間違いではありません。ただ、余裕のある返済を行うためには頭金は必要と考えておくべきです。
このページでは、いくらの頭金を用意すれば安心して住宅ローンを組めるのか、親戚からの支援を頭金にする方法、頭金を貯めるコツを解説しています。
住宅ローンの頭金は物件価格の2割を用意する
一般的に頭金は、購入を希望する物件の2割は用意しておきましょうと言われています。これは、ある程度の頭金を持っていると融資先から信用を得やすい、という面もありますし、財形住宅融資のような公的融資の場合には購入する物件の80パーセントしか融資しない、という理由もあります。ですから残りの20パーセントのお金は頭金として用意してください、ということなのです。
ただし、銀行などによっては90パーセントの融資をするところもありますし、諸費用を上増しした100パーセント以上の融資を行うところもあります。頭金がゼロでも融資可能な銀行もあるので、頭金がないと絶対に家が買えないということにはなりません。
ただ、多くの頭金があればそれだけ後の支払いが楽になります。それに家を購入する際には思いもかけない費用がかかってしまいますので、手持ちのお金が少しでも多い方が安心できます。
購入物件の1割でも2割でも手元にお金を持っていれば、頭金にも出来ますし生活費として一部をとりおいても構いません。
それではこの頭金、一体どうやって貯めていけばいいのでしょうか?
頭金の貯め方
まず最初に、一体いくらのお金を貯めればいいのか?その目標となる金額を決めます。欲しい家の価格のいくら頭金があればその家をゲットできるでしょうか。
例えば4000万円の物件を購入したいと想定する場合は、その2割である800万円を目標に貯金を始めましょう。
頭金を貯めるためには、金融機関(ゆうちょ銀行やJAまたは都市銀行、地方銀行、信託銀行など)の定期積立を利用して毎月決まった金額を貯めていく方法や、お勤めの会社で社内預金制度があればそれを利用すると良いでしょう。
給与天引きでお金をためる
給与天引きで貯金をするのが一番貯まりやすいのでお勧めです。
天引きされれば「最初からこのお金はなかったもの」と感じられ、残ったお金でやりくりが出来るようになれば確実に頭金が貯まります。また、生活の中にムダが無いかを見直すことも頭金のために役立ちます。もし必要のないことにお金を使っているのであれば、その分を節約して貯金に回すことができます。
給与天引きでお金をためることができない人は返済していくのが難しい
何はともあれ、数百万円の頭金ですから半年や1年の短期で貯まるものではありません。
家賃も支払いながらの貯蓄ですので、なおさら苦しいと思います。けれどもその時期を数年でも耐え、目標金額を貯めることが出来ればあなたの家計は確実に「お金が貯まる体質」になっています。
20年・30年と、この先ずっと住宅ローンを払い続けるのですから、頭金も貯まらないようなお金の使い方ではローンの完済などおぼつかないでしょう。ただし、頭金もいつまでもいつまでも貯め続ければいいというものでもありません。
貯蓄をしながら家賃の負担までのしかかって来ますので、何十年もそのような生活を続ける必要はありませんし、金利が急に上昇した場合、返済期間や借入金額によっては一生懸命貯めた頭金が金利で吹き飛ぶことも考えられます。
頭金のための貯蓄をしつつも金利の状況をしっかり見極め、金利が上昇傾向にあれば早めに物件を購入する決断も必要になります。その時代その時代の流れもありますので「必ずこうしなければ」という頑固な気持ちではなく、状況に合わせて柔軟に判断する心の余裕も必要です。
財形住宅貯蓄
給料天引きで、さらに将来の住宅取得のための最適な貯蓄が「財形住宅貯蓄」です。
この財形貯蓄は55歳未満の勤労者であれば始める事ができ、5年以上の期間、定期的に積み立てを行い、さらに550万円までは利子が非課税扱いなので、有利に貯蓄ができます。こうして積み立てられたお金は住宅(新築・中古問わず)取得に使うものであれば問題ないのですが、もしそれ以外のことに使用した場合は、遡って(利子に対して)2割の課税がなされるので注意です。
この財形住宅貯蓄は、財形住宅融資制度と連動しており、ある一定の条件を満たすと住宅取得のための融資が受けられます。財形住宅融資制度って何?と疑問に思った方は、こちらで住宅ローンの種類について詳しく解説しているので参考にして下さい。
また、こつこつ頭金を貯めるという方法以外に頭金を用意する方法には、「親戚からの支援を頭金に当てる」という方法があります。
両親から受け取る頭金の贈与税はコレに注意!
「家を建てたい」という話を聞いた親御さんが、子供の新居購入のために頭金としてまとまったお金を贈与することがあります。子供の側としては、親の協力はあまり考えてもなかったことでびっくりした、という話も聞きます。
しかし良いことばかりではなく、お金を贈与してもらうには注意しなければならない点も。親御さんからどれだけの資金を贈与されるかにより課税される贈与税が変わってくることは頭に入れておきましょう。
贈与税の非課税枠は平成23年で最大3500万円となっています。その金額を超えると、超えた差額に対して20パーセントの贈与税が課税されます。親御さんから3500万円もの贈与を受ける事は、あまり一般的ではありません。けれどもどれだけ少額のお金であっても、住宅を取得する時期は何かと物入りですので、ありがたく受け取っておきましょう。
まとまった金額であれば頭金に充当することも出来ます。そうすればトータルの返済額を減らすことができ、支払利息を抑え、返済期間の短縮の効果が得られます。
人によっては後で資金に余裕が出来た時に、コツコツと親御さんに対して返済する方もいらっしゃいます。なお非課税枠は年度によって変動しますので、必ず最新の非課税額を確認しておきましょう。
まとめ
頭金の貯め方について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。住宅を購入する時は、頭金以外にも住宅の保険や購入にかかる諸費用など、様々な知識が必要です。こちらの住宅ローンを新規借り入れする不安解消の記事で、住宅購入に必要な知識を解説していますので、あわせてご覧ください。