金利の安い変動金利!!でも変動金利の仕組みやルールを知らないと損するかも?!
住宅ローンは金利が低い「変動金利型」が良さそうと思っている方が多いと思いますが、変動金利の仕組みを理解しておく必要があります。ここでは、変動金利で住宅ローンを組みたいと検討している方に変動金利の仕組み、良さ、注意する点を解説します。
変動金利は何を基準に決まっているの?
「変動金利の金利は半年ごとに変わる」と聞いたことがある方が多いでしょう。
変動金利の金利の決め方は、3月の短期プライムレート連動長期貸出金利を元に4月~9月まで、9月の短期プライムレート連動長期貸出金利を元に10月~3月までの基準金利を決めます。
短期プライムレートは、日銀の政策金利に金融機関の利ざや(収益源)を上乗せしたレートが連動して決まります。よって政策金利が上昇すると短期プライムレートも上昇して金利が上がる仕組みです。すべての銀行でこの仕組みが利用されているわけではなく、ネット銀行の変動金利の見直しはこのルールではない場合が多いです。
変動金利は借り入れ後すぐに返済額が変わる場合も
変動金利型で借り入れした時は、すぐに返済額が変わってしまうリスクは頭に入れておきましょう。
借り入れ後の適用金利は、10月に翌年1月~6月、4月に7月~12月の基準金利が決まります。1月に新規借り入れた場合は、7月から適用金利が変わる可能性がありますが、11月に新規借り入れた場合は、翌年1月に返済額が変わる可能性があります。
変動金利で住宅ローンを組んだ場合、1年の前半と後半で金利が変わるという認識を持っておきましょう。自分が借り入れた月が年の始まりではないということです。
金利が変わると返済額もすぐに変わる?
変動金利プランは、日銀の政策金利が変わると返済額が必ずしも変わるというわけではありません。というのも、ネット銀行を除き多くの金融機関の変動金利は「5年ルール」が適用されているからです。
「5年ルール」とは、住宅ローンの金利が5年単位で見直すとい規定です。なので、日本の政策金利に変更があったとしても、5年間は返済額が変わりません。
また、5年ルールが適用されていないネット銀行の金利変動プランは、金利が上昇したら返済額が増え、金利が下がったら返済額も減ります。急激な金利上昇が起こると返済できなくなる場合があるので注意が必要です。
5年ルールが適用されている変動金利型プランが安心ですが、「5年ルールには金利が急に上昇すると6年目からの返済額が一気に増えるという落とし穴」があるので注意が必要です。
5年ルールの落とし穴「未払い利息」について
5年ルールが適用されている変動金利は、金利が上がってしまうと6年目からの返済額が増えるわけですが、この6年目から増える金利を「未払い利息」といいます。
未払い利息が発生すると、今まで同じ返済額を支払っていても借入額が増えていくという事態が起こります。未払い利息に利息がかかることはありませんが、金利が上がり続けてしまうとどんどん未払い利息が増えてしまいます。
しかし、この変動金利のデメリットを改善する「125%ルール」があるので安心してください。
6年目に返済額が見直される時の125%ルール
変動金利は金利が上昇し続けたら未払い利息が膨らんでしまうわけですが、未払い利息を最小限にとどめてくれる「125%ルール」という規定もあります。
125%ルールが適用されている変動金利プランでは、「6年目からの返済額の上限は直前の返済額の125%」ということが決まっています。
例えば、変動金利で月8万円の返済額だとしましょう。その場合、金利がどんなに上昇しても6年目~10年目までの返済額は10万円になります。
変動金利プランで住宅ローンを組む時は、いつ金利が変更になり返済額が変わるのか、125%ルールは適用される変動金利プランなのか注目して、住宅ローン会社の変動金利プランを比較してみて下さい。
金利が上昇し続けるなら借り換えも検討!
しかし、いくら125%ルールがあり未払い利息に制限があっても、金利が上昇し続けるなら借り換えを考えるべきです。固定金利の方が変動金利よりも金利が安くても、固定金利に借り換えた方が毎月の返済額が減る可能性があります。
変動金利から固定金利に借り換えを行う時は、金利だけに注目せず、保証料や繰上返済の手数料に着目してみてください。
→ 関連:住宅ローンは金利以外の保証料・繰り上げ返済手数料・事務手数料・疾病保障で比較する
まとめ
変動金利の金利は最も低いため、検討する方が多いです。ただ、毎月金利が変わるのか5年ごとに金利の見直しが行われるのか確認してから借り入れを行いましょう。未払い利息が多額にならないように5%ルールや125%ルールを適用している金融機関を選ぶことも大切です。
金利が上昇し続けるのであれば、固定金利に借り換えることも視野に入れていきましょう。